どうもマッスル薬剤師です
筋トレを始めて、サプリメントを買うかどうか悩んでいる初心者トレーニーはたくさんいると思います。
かくいう僕もどんなサプリメントを購入したらよいか悩み、とりあえずインフルエンサーがおすすめしているサプリメントを買い漁っていた時期がありました。
しかし今振り返ってみると、サプリメントは目的や含有成分をしっかり確認すれば大量に買う必要がないことがわかりました。
そこで今回は筋トレ初心者が悩みがちなサプリメントについて、摂取する意義や参考となる商品を紹介していきます。
筋トレにおすすめとされるサプリメント10個
プロテイン
まずなんといってもプロテインです。
筋トレをしていない人でも、コンビニのプロテインを飲んでいる方は多いのではないでしょうか。
筋肉は筋トレにより損傷を受け回復をすることで大きくなりますが、その際にタンパク質を摂取することで筋肥大効果を高めることができます。
また1日に必要なタンパク質を摂取しないと、筋肉は少しづつ分解されていってしまいます。
そのため日々の食事でとるべきタンパク質を補う意味でもプロテインは多くの人に支持されています。
そんなプロテインですが原料やその他の特徴により3つに分類されます。
どの種類でも良いわけではなく、自分の目的にあったプロテイン選びが重要です。
ホエイプロテイン
牛乳を原料にしており、最もメジャーなプロテインになります。
牛乳の中から乳脂肪分やカゼインを取り除いているため低カロリーであること、吸収が早いことが特徴のため
筋トレ直後のタンパク質が不足している時の摂取に向いています。
またアミノ酸成分のロイシンを多く含んでいることから、筋トレ後の疲労回復にも効果が期待できます。
カゼインプロテイン
ホエイプロテインと同じく牛乳を減量としていますが、不溶性で固まりやすいという特徴があります。
しかしその特徴を活かして、ゆっくりと体に蓄えさせることができます。
そのためホエイプロテインと異なり、運動後ではなく寝る前など長時間タンパク質を補給できないシーンなどが摂取タイミングとされています。
またデメリットとして、ホエイプロテインよりも商品のラインナップが少ないという点もあげられるかと思います。
ソイプロテイン
他の2つと異なり、大豆を原料として作られています。
そのため以下の3つがメリットとして上がられます。
ポイント
ホエイやカゼインと比較して消化スピードが緩やかで腹持ちが良い(5−6時間)こと
また乳糖を含んでいないため、乳糖不耐症の方でも飲むことができること
また副次的な効果として、善玉コレステロールを増やす作用があるため筋トレ以外の健康面でも期待ができること
一方で粉っぽさが残るためそこに苦手意識がある方も一定数いることや、筋肉合成作用は劣るため筋トレよりも美容やダイエットを目的が適しているという点にも注意が必要です。
EAA,BCAA
次に多くの人に使用されているサプリメントとしてEAAとBCAAがあります。
どちらもアミノ酸を補給するサプリメントですが含まれるアミノ酸の種類が異なります。
EAA:主に必須アミノ酸を網羅的に含有
BCAA:必須アミノ酸のうちバリン、ロイシン、イソロイシンの分岐鎖アミノ酸を豊富に含有
また両者を摂取するメリットとして
ポイント
筋肉の合成が促進し、分解を抑制する
筋肉の修復をすることで疲労を回復する
集中力を高める
といった役割があります。
一方で、プロテインと比較して費用が高いことや摂取しすぎることで下痢が起こる、味が独特であるといったデメリットがあります。
費用の面でもBCAAの方が安価なことからも一見BCAAだけを摂取すれば良いように見えますが
必須アミノ酸は体内では産生されない点、筋肉の合成にはバランスよくアミノ酸を摂る必要があることから、初心者や中級者はEAAの方がおすすめです。
クレアチン
クレアチンは肉や魚に含まれるアミノ酸の一種でタンパク質に含まれています。
クレアチンを摂取するメリットとして
ポイント
高負荷のトレーニングのパフォーマンスを上げてくてる
筋肉量を増やす効果を期待できる
の2点が挙げられます
トレーニングを行う際、体内ではATP→ADPに変換時に産生されるエネルギーが必要になります。
しかし体内のATPには限りがあるため、ADPを再度ATPに変換してエネルギーを得る必要があります。
このADP→ATPへの変換時に体内でリン酸化されたクレアチンが必要になるため、筋トレのパフォーマンス向上にクレアチンが効果的とされます。
マルチビタミン
マルチビタミンは筋肉の合成には直接的に大きく関係はありませんが、摂取することで筋合成や成長をサポートする作用があります。
また含まれるビタミンのうち
B6はタンパク質の合成を促進する効果があり
B1,B2は糖質や脂質をエネルギーに変換して筋負荷を高める効果が期待できます
普段自炊を行なっている方でも必要なビタミンやミネラルを満遍なく摂取するのは難しいと思うため、なるべくサプリメントで補うのが良いと思い僕も摂取しています。
亜鉛
亜鉛は体内に存在するミネラルの一種で、基本的にはタンパク質に結合した状態で効果を発揮します。
筋トレを行う際に亜鉛が十分量貯蔵されていることで、傷付いた筋肉の修復が進み新陳代謝が更新
その結果筋トレの効果が高まることがわかっています。
また亜鉛には男性ホルモンであるテストステロン値を高める作用があり、筋肉の生成に寄与してくれるという働きもあります。
また今回紹介しているサプリメントの中では圧倒的に費用が安いのも魅力的です。
日本人の食事摂取基準2020によると、成人男性の亜鉛推奨量は11mg/日になるため、摂取量には注意が必要です。
過剰に摂取すると吐き気、頭痛、胃痙攣、食欲不振、下痢といった副作用が起こるリスクもあります。
HMB
HMBはベータヒドロキシベータメチル酢酸(beta-hydroxy-beta-methylbutyrate)という名称を省略した物質で、アミノ酸のうちロイシンが代謝される事でできる物質になります。
ポイント
筋肉を構成するタンパク質の合成を促進
筋肉を構成するタンパク質の分解を防ぐ
HMBでは主に上記2つの効果が期待できます
ロイシンは食べ物や他のアミノ酸系のサプリメントにより摂取できますが、実際にHMBに変換される割合は20%と少量になります。
十分な効果を得るには2-3g/日摂取することが求められるため、食事などで補おうとするとかなり量になってしまいます。
そのため効率よく筋肥大を促進するためにHMBを摂取する必要があります。
HMB単体でも商品はありますがクレアチンとセットになっていることが多いため、購入の際は含有成分を確認しましょう。
マルトデキストリン
マルトデキストリンは糖質の一種で、トレーニング前のエネルギーを蓄えるために摂取されます。
体内に貯蔵される糖質が足りなくなると、筋肉を分解することでトレーニング中のエネルギーを切り出そうとします。
それを防ぐために食後にトレーニングを行う方法もありますが、食事に含まれる糖がブドウ糖に変換されるまでには約1-2時間かかります。
また食後のトレーニングは不快感の原因となる方も多いでしょう。
一方マルトデキストリンに含まれる果糖は、消化が早いため30分ほどでエネルギーに変わります。
そのため、マルトデキストリンはトレーニングの30分前からワークアウトドリンクに混ぜて摂取するトレーニーが多いです。
およそ体重×1g程度をトレーニング前後に摂取することが適量とされており、成人男性であれば50g~70g程度が一日の目安となります。
その他アミノ酸成分
そのほか単体でのアミノ酸のサプリメントとして販売されており、主に使われるのはグルタミン、アルギニン、シトルリンの3つです。
グルタミン
グルタミンは非必須アミノ酸の一種で、基本的には体内で生成が可能なアミノ酸です。
しかし体内の半分以上の非必須アミノ酸はグルタミンとされており、筋トレにより破壊された筋肉組織の修復に真っ先に必要になります。
そのため体内の生産が間に合わない時は、体外から摂取する必要があるのです。
アルギニン
アルギニンの役割として、一酸化窒素の産生、オルニチン回路の活性化があります。
一酸化窒素(NO)には血管拡張作用があるため、摂取することにより運動時の持久力向上に寄与します。
またプロテインを摂取しながらトレーニング行う場合、最終代謝物としてアンモニアが産生されます。
このアンモニアは、体内にとってあまり良い働きをしない物質であるのに加え臭いも強いです。
アンモニアを処理する回路として、オルニチン回路があり最終的に尿素とオルニチンに変換して体外に排出してくれます。
そのカルニチンを摂取することによりオルニチン回路を活性化して、処理可能なアンモニアの量を増やすことができます。
シトルリン
シトルリンは、体内でアミノ酸に変換されるアミノ酸で、期待できる効果としてはアルギニンと大きくは変わらないです。
しかしアルギニンの特徴として、経口で摂取する場合胸焼けがするというデメリットがあります。
そのため、もし胸焼けなどで我慢して摂っている方がいればシトルリンに変えてみるのもアリかと思います。
プレワークアウト
プレワークアウトは、名前の通りトレーニングを行う前に摂取するサプリメントです。
商品により多少変わりますが、主な配合成分はカフェイン、アルギニン、シトルリン、BCAA、クレアチン、ベータアラニンになります。
そのため、初心者においてはプレワークアウトを摂取すれば基本的に単体でのアミノ酸の摂取はあまり必要はないかと思います。
プレワークアウトを飲む1番の目的は、トレーニング中のエネルギーを高める事です。
それに一役買っているのが、カフェインです。
プレワークアウトに配合されるカフェインは、通常のコーヒーの倍程になります。
カフェインには中枢神経への覚醒作用や、自覚的疲労を軽減する効果があるためトレーニングに集中し続けることがあります。
過剰摂取により動悸や吐き気などのカフェイン中毒が起こる可能性があるため亜鉛と同じく摂取量には注意が必要です。
またベータアラニンは体内でヒスチジンと結合する事でカルノシンという物質に変換されます。
カルノシンは体内のpHの低下を抑えることで、持久力やパフォーマンスの低下を抑える作用があります。
C4のプレワークアウトは人気で、インフルエンサーなどでも取り入れているイメージがありあます。
カルニチン
脂肪を燃焼させてエネルギーを得るためには、長鎖脂肪酸をミトコンドリア内に運びATPに変換する必要があります。
しかし長鎖脂肪酸の状態ではミトコンドリア内に侵入することはできません。
そこで必要になるのがカルニチンになります。
脂肪酸は、アシルCoAという物質に変換された後アシルカルニチンに変換されミトコンドリア内に入っていきます。
そのためカルニチンは脂肪を燃焼させるのに必要不可欠な物質と言えます。
またそのほかにも筋肉の修復、保護作用があることもわかっています。
結局どのサプリメントを取ったらいいの?
以上サプリメントをいくつか紹介しましたが、どれを買おうか迷う方も多いと思います。
極論摂取量に注意すれば全てのサプリメントを摂れば良いと思いますが、購入費用や管理の面から
現実的ではないと思います。
そのためあえて順位をつけて僕が選ぶとしたら
初心者はプロテイン→亜鉛→マルチビタミン→EAA→プレワークアウトの順で購入していくのが良いと思います。
もう一度言います。
初心者はプロテイン→亜鉛・マルチビタミン→EAA→プレワークアウトの順で購入していきましょう。
おそらく、一度に5つまとめて購入しても大半の方は大して飲まずに腐らせてしまうと思います。
過去の自分がまさにそれで、放置していたマルトデキストリンにカビが生えていました(笑
まずはプロテインから始めて、筋トレ後に飲む習慣ができたら徐々に品目を増やしていきましょう。
他のサプリメントはというと、上級者でない限り基本は代用が効くのではないかと考えています。
単体のアミノ酸やBCAA、クレアチン→プレワークアウトから
またマルトデキストリン→コンビニなどで売っている和菓子をトレーニング前に摂取することで代用が可能かと思います。
またメーカーによってはプロテイン、クレアチン、HMBが配合されている商品もあります。
単体で購入するよりも長い目で見れば費用も安く、管理の手間も必要ないため、どうしても色々な成分を取りたいという方はこういった商品を購入してみるのも良いでしょう。
まとめ
以上筋トレにまつわるサプリメントを紹介しましたが、ざっくりとまとめるとこんな感じになります。
メモ
・プロテイン→筋肉の原料
・クレアチン→トレーニング中のエネルギー向上
・マルチビタミン→糖質や脂質をエネルギーに変換、タンパク質合成向上
・亜鉛→テストステロン値の向上
・HMB→筋合成促進、筋肉の分解抑制
・マルトデキストリン→果糖として筋トレのエネルギー摂取
・グルタミン→筋肉組織の修復
・アルギニン→NOによる血管拡張
・シトルリン→アルギニンによる胸焼け防止
・プレワークアウト→カフェインによる覚醒作用、持久力向上
・カルニチン→脂肪の燃焼を補助
サプリメントより大切なこと
まず大前提としてサプリメントは食事で補うことのできない成分を補助するものであるという考えは常に持っておいたほうが良いでしょう。
そのため、すぐにサプリメントに頼るのではなく日々の食事をバランスよくとること、しっかり筋トレで追い込みしっかり筋肉組織を破壊することが大切になります。
食事もトレーニングもちゃんと行えている状態で、サプリメント選びをしましょう。
またサプリメントには摂取量の上限が決められているものが多くあります。
上限を超えて摂取しても効果は上がらないだけではなく、過剰症の副作用が起きる可能性もあります。
必ず摂取目安を確認してから飲むようにしましょう。
では、みなさん最高な筋トレlifeを👋